医師がすすめる「新潟式食事術」新潟県民が愛する3つの良質なタンパク源とは?


一人当たりの後期高齢医療費がもっとも低く、長寿食材である根菜の消費量が全国一の新潟県。

医師の五十嵐祐子先生は健康的な食事を追求して、新潟式の食事術を提案します。

そこには地形柄、欧米型の食生活への変化が比較的遅く、日本の古くからの食文化が当たり前に残っているという理由も。

今回も引き続き『医師がすすめる新潟式食事術』から、新潟の食事が健康的な理由をみていきましょう。

2つの良質なタンパク源

前回、根菜の消費量が全国1位ということを前回お伝えしましたが、それ以外にも、新潟県は豚肉の消費量も1位です。

タンパク質不足が老化とフレイル(虚弱)を引き起こすことがわかっていますが、フレイルの人は低栄養であることが多く、特に動物性タンパク質の摂取不足と大いに関係があると報告されています。

「フレイル予防のためにも若い頃からしっかりと動物性タンパク質をとることが大切です。その中でもオススメなのが豚肉。新潟は豚肉消費量が全国トップで、県内各地でそれぞれブランド豚が生産されています。

豚肉には様々なビタミンが含まれていますが、中でも豊富なのがビタミンB1です。

ビタミンB1は体内で糖質をエネルギーに変える働きがあります。
肌荒れや口内炎ができやすくなったら、ビタミンB1の不足のサインといわれていますので、ぜひ豚肉を多めに食べてみてください」(五十嵐先生)

ビタミンB1は歩いたり運動したり、体を動かすために使われるだけでなく、脳を動かすのにも使われます。

ビタミンB1が不足すると記憶力の低下、うつ、情緒不安定などを引き起こす可能性もいわれています。

   

もう一つ、新潟県民のタンパク源は鮭。

鮭の消費量も全国ナンバーワンで、 新潟県在住・出身者180人のアンケートによると、食卓によく並ぶ魚といえば鮭が圧倒的1位なのだそう。

鮭はよく知られるように抗酸化成分のアスタキサンチン、血液サラサラ成分のDHA、EPAが豊富に含まれています。

お酒のおつまみは枝豆

新潟といえば古くから酒どころとして知られています。成人一人当たりの清酒の消費量ではダントツの1位で平均の2倍以上の量を飲んでいるとか。

お酒は健康に留意しつつ嗜みたいものですが、注目はおつまみです。

「新潟県民にとってお酒のおつまみといえば枝豆。

あまり新潟が枝豆王国だということは知られていませんが、新潟県は枝豆の作付面積が第1位、そして1世帯あたりの購入量も第1位です。

枝豆は未成熟の大豆で、豆と野菜の両方の栄養素を兼ね備えた優れた食材です。大豆には少ないβカロチンやビタミンCを多く含んでいます。

もちろん良質のたんぱく質、脂質、糖質に富んでおり、ビタミン類、食物繊維やカルシウム、鉄分など実にたくさんの栄養素を含みます」

枝豆はアルコール分解を助けるのでおつまみとしても最適な食べ物。

新潟には伝統品種で、茹でたときの豆の薄皮が茶色い茶豆があります。

そのほか約40種類もの品種を組み合わせ、今では5月から10月まで、様々な種類の枝豆が、途切れることなく出荷されているのだそうです。

   

新潟の健康的な食事を紐解くと、良質なタンパク質の摂取がその理由の一つになっています。

自分の食生活を比べると、その違いを感じられるのではと思います。 


参考書籍『医師がすすめる新潟式食事術 長生きの秘けつがここにありました。』(アスコム)