【暮らすように旅する】あえて第二の都市へ、海外Z世代にセカンドシティ旅行が愛される理由

「せっかく海外旅行に来たなら、有名な観光スポットをできるだけたくさん巡りたい」。これまでの海外旅行といえば、そんな楽しみ方が定番でした。

ところが今、海外の若い世代を中心に注目されているのが、あえて有名観光地を外して旅をする「セカンドシティ旅行」です。

セカンドシティとは、世界的に有名な観光都市そのものではなく、その周辺にある第二の都市や、比較的知名度の低い都市のこと。例えば、人気都市から少し足を延ばして、観光客の少ない街に滞在するといった旅のスタイルです。

旅慣れている人ほど、定番スポットを“制覇”することよりも、その土地でしか味わえない日常や空気感を楽しむ傾向が強まっています。

「映えスポットを巡る旅」から、「その街で暮らすように過ごす旅」へ。今回は、そんな新しい旅行スタイル「セカンドシティ旅行」の魅力に迫ります。

そもそも「セカンドシティ旅行」とは?

セカンドシティ旅行とは、パリやロンドン、バルセロナなどの世界的な観光都市を訪れる代わりに、その周辺にある第二の都市や、まだ観光地としては知られていない街を目的地に選ぶ旅行スタイルのこと。

もちろん、「有名観光地には絶対に行かない」という意味ではありません。人気都市を訪れたあとに周辺の街へ足を延ばしたり、最初からあえて別の都市を目的地にしたりと、楽しみ方はさまざまです。

背景にあるのは、オーバーツーリズムへの意識の高まりや、旅行先でも「自分らしく過ごしたい」という価値観の変化。人気スポットを急いで巡るより、地元のカフェで朝食を食べたり、マーケットを歩いたり、公園でのんびりしたり……。観光客ではなく、まるでその街の住人になったような時間を楽しむのが特徴です。

なぜ人気? セカンドシティ旅行のメリット

1.観光客が少なく、ゆったり過ごせる

セカンドシティの大きな魅力は、何といっても混雑を避けやすいこと。

世界的な観光地では、人気スポットに長い行列ができたり、レストランの予約が取りにくかったりすることもあります。

一方、少し離れた都市なら、比較的ゆったりと街を歩くことができます。

「次の観光地へ急がなきゃ」と予定を詰め込むのではなく、気になったカフェに入ったり、ショップを覗いたりしながら、その日の気分で行動する。そんな余白のある旅を楽しめるのです。

2.ローカルな暮らしを体験できる

セカンドシティ旅行では、観光名所だけでは分からない「その街の日常」に触れられるのも魅力。

地元の人が通うカフェやベーカリー、スーパー、マーケットなどを訪れることで、ガイドブックには載っていない現地の文化を感じられます。

例えば朝は近所のカフェでコーヒーを飲み、マーケットで地元の食材を眺め、午後は公園でゆっくり過ごす。そんな何気ない一日こそ、旅の思い出になることも。

「観光する」のではなく、「その街で暮らしてみる」という感覚が、セカンドシティ旅行の醍醐味です。

3.コストを抑えやすい

人気観光都市では、ホテルやレストランなどの価格が高くなりがち。

そこで、あえて知名度の低い都市を選ぶことで、宿泊費や食費を抑えられる場合があります。

浮いた予算をローカルレストランでの食事やショッピング、アクティビティなどに使えば、旅の満足度を高めることもできます。

物価高が続く今、「安く済ませる」というより、限られた旅行予算を自分が本当に楽しみたいことに使うという考え方にもつながっています。

4.“自分だけの旅”を作りやすい

有名観光地には、SNSですでに大量の情報があります。

一方、セカンドシティでは、まだ知られていないショップやカフェ、街角などを自分で発見する楽しみがあります。

「ここ、すごく素敵なのに日本ではあまり知られていない!」という場所を見つけることも、旅の醍醐味。

SNSで誰もが知っている場所へ行くのではなく、自分で見つけた場所をシェアする。そんな楽しみ方とも相性が良いのです。

セカンドシティ旅行ですると良いこと

では、実際にセカンドシティを訪れたら、どんなことをすると楽しめるのでしょうか?

地元で人気のカフェやベーカリーを巡る

まずおすすめしたいのが、ローカルなカフェやベーカリー。

有名店を予約して訪れるのもいいですが、SNSや口コミを参考に、地元の人に愛されている小さなお店を探してみるのもおすすめです。

朝食を食べながら街の雰囲気を眺めるだけでも、その土地で暮らしているような気分を味わえます。

ローカルマーケットやスーパーへ行く

旅行先のスーパーやマーケットは、実はその土地の文化が分かる場所。

現地のお菓子や飲み物、調味料などを眺めていると、「自分の地元とはこんなに違うんだ」と新しい発見があります。

お土産探しにもぴったりで、観光地のお土産ショップとは違った“リアルなお土産”を見つけられるのも魅力です。

あえて目的地を決めずに街を歩く

セカンドシティ旅行では、予定を詰め込みすぎないこともポイント。

「この通りを歩いてみよう」「あのお店が気になる」と、その場の気分で行き先を決めてみましょう。

古い建物や小さなショップ、街角のカフェなど、目的地にしていなかった場所との偶然の出会いが楽しめます。

個人経営のショップやヴィンテージ店を覗く

大手チェーンではなく、ローカルブランドやセレクトショップ、ヴィンテージショップなどを探してみるのもおすすめ。

その街でしか買えないファッションや雑貨を見つければ、旅行の思い出にもなります。

地元の人に人気のレストランで食事する

旅行先では「有名なレストラン」だけでなく、「地元の人が普段から通っている店」を探すのも楽しみのひとつ。

その土地の郷土料理やローカルフードを味わえば、観光だけでは分からない文化をより身近に感じられます。

小さな美術館やギャラリーを訪れる

大都市の有名美術館だけがアートの楽しみ方ではありません。

セカンドシティには、小規模な美術館やギャラリー、ローカルアーティストのショップなどもあります。

「有名だから行く」のではなく、「気になったから入ってみる」という偶然性を楽しむのも、この旅行スタイルならではです。

何もしない時間を楽しむ

そして、セカンドシティ旅行で最も大切なのが、何もしない時間を作ること

公園で本を読んだり、カフェでゆっくりコーヒーを飲んだり、ホテルで昼寝をしたり。

せっかく旅行に来たのだからと予定を詰め込むのではなく、「今日はここでのんびりしよう」と決める。

そんな余白こそが、暮らすように旅する楽しさなのかもしれません。

「観光する」から「その街で過ごす」へ

有名な観光スポットを効率よく巡ることよりも、カフェで過ごす時間、スーパーでの買い物、街角での何気ない発見など、その土地で過ごす時間そのものを楽しむ

そんな旅行への価値観の変化が、セカンドシティ旅行が愛される理由のひとつです。

「せっかく海外に来たのだから、できるだけたくさん観光しなきゃ」と考えるのではなく、「この街で数日間暮らすなら、どんな一日を過ごす?」と考えてみる。

次の海外旅行では、あえて有名観光地を少し外してみる。そんな旅が、今まで知らなかった街の魅力を発見するきっかけになるかもしれません。