
以前ならカフェでは「コーヒーか紅茶か」という2択が当たり前でした。
ところが今、その常識が少しずつ変わってきています。
コーヒー以外の選択肢は、デカフェやフラペチーノ、ハーブティーだけではありません。特に海外のカフェでは、プロテイン入りドリンク、電解質を意識したハイドレーションドリンクなど、まるで「ドリンク専門店」のようなラインナップが広がっています。
背景にあるのは、「おいしいから飲む」だけではない価値観。
「今日はカフェインを控えたい」
「運動後だからタンパク質を補給したい」
「水分と電解質を補給したい」
「美容や腸活を意識したい」
そんな目的からドリンクを選ぶ文化が、カフェメニューにも反映されているのです。
では、2026年の海外カフェでは、どんなドリンクが新定番になっているのでしょうか?
① 抹茶
「コーヒーの代わり」ではなく、新しい主役へ
2026年の海外カフェトレンドを語るなら、まず外せないのが「抹茶」。
ここ数年の抹茶ブームを経て、海外では一気に「カフェで選ぶドリンク」へと変化しました。
特に欧米では、抹茶ラテをはじめ、ストロベリー抹茶、バニラ抹茶、コールドフォームをのせた抹茶など、従来の日本の抹茶文化とは異なる自由なアレンジも増えています。
2026年には、抹茶はもはや「コーヒーが苦手な人の代替ドリンク」という位置づけだけではありません。海外のカフェ業界では、独立した一つのドリンクカテゴリーとして扱われるようになっています。
人気の理由は、味だけではありません。
鮮やかなグリーンのビジュアルがSNS映えすること、コーヒーとは異なるカフェイン源として選べること、さらに「日本」「ウェルネス」「プレミアム」といったイメージを同時に持っていることも大きな魅力です。
特にZ世代にとっては、抹茶は単なる飲み物というより、自分の好みやライフスタイルを表現するアイテムにもなっています。
そして2026年は、抹茶だけでなく「ほうじ茶」など、日本茶そのものへの関心も広がっています。
海外では、日本茶が「和食店で飲むもの」から「おしゃれなカフェで楽しむもの」へとポジションを変えつつあるのです。
② TEA 2.0
チャイ、ほうじ茶、ハーブ……「紅茶」の概念もアップデート
「TEA 2.0」と呼びたくなるほど、海外のティードリンクも変化しています。
従来の「紅茶+ミルク」「紅茶+レモン」といった定番だけではありません。
チャイ、ほうじ茶、抹茶、ウーロン茶、ハーブティーなど、世界各地のお茶がカフェドリンクの素材として使われています。
さらに、ミルクや植物性ミルク、スパイス、フルーツ、シロップ、フォームなどを組み合わせることで、まったく新しい一杯に仕上げるのが現在のスタイルです。
特に注目したいのが「ほうじ茶」。
海外の2026年カフェトレンドでは、ほうじ茶ラテが次の注目カテゴリーとして挙げられており、抹茶よりも穏やかな風味や苦味の少なさが新しい選択肢になっています。
つまり「TEA」は、もはや一つの飲み物ではなく、さまざまな味や文化を組み合わせるためのベースへと進化しているのです。
③ PROTEIN
「カフェ=休憩」から「カフェ=栄養補給」へ
ここ数年、海外のウェルネス市場で存在感を増しているのが「プロテイン」。
その波が、ついにカフェドリンクにも本格的に入ってきました。
代表的なのが、いわゆる「プロフィー(Proffee)」と呼ばれるプロテイン入りコーヒー。
コーヒーにプロテインを加えたり、プロテイン入りのミルクやフォームを組み合わせたりすることで、カフェインとタンパク質を一度に摂るという発想です。
2026年のカフェ業界では、プロテインドリンクや機能性ドリンクがニッチなウェルネス市場を越えて、一般的なメニューへ入り始めています。
面白いのは、「プロテイン=ジム」というイメージが薄れていること。
朝食代わり、仕事の合間、小腹が空いたとき、運動後など、日常のさまざまなシーンで飲まれるようになっています。
つまりカフェが、「ちょっと休憩する場所」だけでなく、日常の栄養補給スポットにもなっているのです。
④ ENERGY
コーヒーだけじゃない!「エネルギーをチャージする」ドリンク
「眠いからコーヒー」という選択も、もちろん健在。
しかし2026年は、エネルギー補給を目的とするドリンクの選択肢そのものが広がっています。
エナジードリンク、カフェイン入りのティー、マテ茶、エネルギーショットなど、コーヒー以外にも「シャキッとしたいとき」の選択肢が増えています。
実際、米国の2025年の消費データでは、プロテインドリンクやプレバイオティクス/プロバイオティクス飲料と並んで、エナジードリンクも伸びの大きいカテゴリーに入っています。
ここで重要なのは、「エネルギー」という目的が独立したドリンクカテゴリーになっていること。
つまり、
コーヒーを飲む=大人の習慣
から、
必要なときに必要な“機能”を飲む
という発想へ変わっているのです。
⑤ FUNCTIONAL/HYDRATION
美容・健康・水分補給……「何のために飲む?」で選ぶ
さらに進化しているのが、「FUNCTIONAL=機能性」と「HYDRATION=水分補給」を意識したドリンクです。
代表的なのは、電解質、ビタミン、プレバイオティクス、プロバイオティクスなどを取り入れた飲み物。
「おいしい」だけではなく、
「水分補給したい」
「腸内環境を意識したい」
「運動後に飲みたい」
「美容や健康を意識したい」
など、目的に合わせて選ぶスタイルです。
2026年の消費者トレンドでも、機能性飲料は大きなカテゴリーになっており、プレバイオティクスや機能性素材を取り入れたドリンクへの関心が広がっています。
特に注目したいのが「HYDRATION」。
これまでカフェといえば、コーヒーや紅茶を飲みながら会話したり仕事をしたりする場所でした。
ところが今は、「喉が渇いた」「水分を補給したい」という理由でカフェドリンクを選ぶ場面も増えています。
ココナッツウォーターや電解質系ドリンクなど、“飲む目的”そのものが変化しているのです。
⑥ SPARKLING/REFRESHERS
コーヒーでもお茶でもない「リフレッシュ系」が急浮上
そして、若い世代を中心に存在感を増しているのが「リフレッシャー」系のドリンク。
フルーツ、炭酸、ハーブ、ティーなどを組み合わせた、軽やかで爽やかな冷たいドリンクです。
コーヒーほど重くなく、ソフトドリンクほど甘すぎない。
そんな「ちょうど中間」のポジションが魅力です。
2026年の海外カフェでは、コールドコーヒー、抹茶と並んでリフレッシャーも需要を伸ばしており、特に若い世代から支持されています。
しかも、こうしたドリンクは色や透明感、フルーツ、氷などを使って見た目を華やかにしやすいのもポイント。
「喉を潤す」という実用性だけでなく、写真を撮りたくなる楽しさまで一杯の価値になっています。
カフェドリンクが「飲むもの」から「体験するもの」へ変化していることを象徴するカテゴリーです。
⑦ クリア コーヒー
コーヒーが苦手な人を取り込む「次世代コーヒー」
一方で、「コーヒーそのもの」も進化しています。
その象徴ともいえるのが「クリア コーヒー」。
日本でも2026年、スターバックスが若者との共創から、苦味を抑えた「クリア コーヒー」と「シトラス クリア コーヒー」を発売しました。
背景には、若い世代の「コーヒーを飲めるようになりたい」という気持ちがある一方で、「苦そう」「酸味や後味が苦手」「自分に合うコーヒーがわからない」といったハードルがあること。
これは、かなり象徴的な変化です。
これまでコーヒーは、「苦いけれど、それがコーヒー」という価値観がありました。
しかし今は、
「コーヒーらしさを我慢して飲む」のではなく、「もっと飲みやすいコーヒーをつくる」
という方向へ。
つまりコーヒー市場そのものが、コーヒー好きだけを対象にするのではなく、“コーヒーに興味はあるけれど、従来の味は苦手”という層まで取り込もうとしているのです。
「コーヒーか、コーヒー以外か」ではなく、「どんなコーヒーなら飲みたい?」へ。
これも2026年らしい変化といえそうです。
⑧ 自分好みにカスタマイズ
「何を飲む?」から「自分でつくる」へ
そして、これらすべてのトレンドを横断しているのが「カスタマイズ」です。
ミルクを変える。
甘さを変える。
シロップを追加する。
フォームをのせる。
氷の量を変える。
プロテインを加える。
フルーツやスパイスをトッピングする。
そんなふうに、一つの完成されたメニューを選ぶのではなく、ベースとなるドリンクを自分仕様に組み立てるスタイルが広がっています。
スターバックスも、植物性ミルク、甘さ、プロテインなどを含め、顧客が自分の栄養や嗜好に合わせてドリンクを調整する流れが強まっていると説明しています。
2026年のカフェでは、「おすすめはこれです」だけではなく、
「あなたなら、どう組み合わせる?」
という楽しみ方そのものが商品になっているのです。
広がる選択肢、自分らしいドリンクが定番へ
「集中したい」ならコーヒー。
「カフェインを摂りたいけれどコーヒーとは違うものがいい」なら抹茶。
「タンパク質を補いたい」ならプロテイン。
というように、カフェはコーヒードリンクを飲む場所から、自分に合った飲み物をチョイスできる場所に変わりつつあります。
日本よりも日常にカフェ文化が浸透している海外の例から、今後、日本でもカフェドリンクの選択の幅が広がっていくのは間違いないでしょう。


