
ここ数年、日本でも35℃を超える猛暑日が珍しくなくなりました。
「暑さ対策グッズを買う」「冷感アイテムを取り入れる」といった工夫も大切ですが、世界の暑い国では、対策以上に暮らし方そのものを暑さに合わせて変えることが当たり前になっています。
東南アジアや中東など、伝統的に暑さと付き合ってきた地域では、1日の過ごし方や食事、身だしなみまで、日本とは異なるライフスタイルが根付いています。
これからの時代に参考にしたい、酷暑と上手に付き合うための暮らし方をご紹介します。
1. 朝5時がゴールデンタイム
一日の活動を前倒しにする
タイやベトナム、シンガポールなどでは、朝5〜7時が最も活動的な時間帯です。
市場は早朝から活気づき、公園ではウォーキングやランニングを楽しむ人がたくさんいます。気温が上がる前に運動や買い物、家事を済ませることで、体力の消耗を最小限に抑えているのです。
日本でも夏場は「朝活」が注目されていますが、今後は趣味や勉強の面だけではなく、生活の知恵として広がりを見せるかもしれません。
2. 予定は天気ではなく「気温」で決める
猛暑日は予定そのものを変える
日本では雨が降ると予定を変更することがありますが、暑い国では「今日は36℃だから昼は会わない」「夕方に集合しよう」というように、気温を基準に予定を組み立てる考え方が一般的です。
真夏は無理に昼間へ出かけるのではなく、気温の低い朝や夕方に予定を移すことで、熱中症のリスクや疲労を減らしています。
これからの日本でも、天気だけでなく最高気温を見ながら一日の予定を立てることが、新しい習慣になっていくでしょう。
3. 昼は「動かない時間」と考える
真昼は頑張らない
東南アジアでは、一日の中で最も暑い時間帯は積極的に活動する時間ではありません。
外回りや買い物を避け、
・カフェで過ごす
・ショッピングモールで仕事をする
・室内で家事をする
など、できるだけ涼しい場所で過ごします。
「頑張るのは日中」というのが日本では一般的ですが、暑い地域では「日中は無理をしない」という考え方が根付いています。
4. “昼寝”は怠けではない
体力を回復する時間
昼寝というとスペインのシエスタが有名ですが、暑い地域では短時間の休息を取ることは決して珍しいことではありません。
暑さは思っている以上に体力を奪います。
そのため、15〜30分ほど休憩や仮眠を取って午後の活動に備えることも、暑さと上手に付き合うための工夫のひとつです。
「休むことも暑さ対策」という発想は、日本でも取り入れたい考え方です。
5. 家よりショッピングモールで過ごす
“第二のリビング”を持つ
シンガポールでは、大型ショッピングモールは単なる買い物スポットではありません。
レストランやカフェ、映画館、書店などが集まり、一日中快適に過ごせる”第二のリビング”のような存在です。
暑い日は、家 → 駅 → モール → 食事 → 買い物
というように、冷房の効いた空間を移動しながら過ごす人も少なくありません。
日本でも大型商業施設や図書館などを上手に活用することで、暑さによる疲労を軽減できます。
6. 夕方から活動する「ナイトライフ化」
街が一番元気になるのは夜
暑い国では、昼よりも夜のほうが人が多いことも珍しくありません。
夕方以降になると、
・ナイトマーケット
・夜カフェ
・夜の散歩
・ナイトラン
・屋外イベント
など、人々が一斉に活動を始めます。
日本でも近年は夜市やナイトイベント、ナイトプールなどが人気を集めていますが、今後は「夜に楽しむライフスタイル」がさらに広がる可能性があります。
7. 一日に二回シャワーが当たり前
朝と夜で汗をリセット
タイやマレーシアでは、朝と夜の二回シャワーを浴びる人が少なくありません。
朝はさっぱりと目を覚まし、夜は汗を流してリラックスするという習慣です。
これは暑さ対策だけでなく、清潔感を保つための身だしなみという意味合いもあります。
猛暑が続く日本でも、シャワーは1日1回と思い込まず、暑いときの水浴び感覚でシャワーを取り入れるのも暑さ対策になる良いでしょう。
8. メイクも着替えも「途中でリセット」
午後にもう一度整える
暑い国では、朝の状態を一日中キープしようとは考えません。
午後になれば、
・メイクを直す
・髪を結び直す
・制汗シートを使う
・インナーやトップスを着替える
など、一度リセットする人も多くいます。
「汗をかくこと」を前提にしたライフスタイルだからこそ、途中で整え直すことが自然な習慣になっています。
9. 冷たい飲み物だけに頼らない
体を内側からいたわる
暑い日は冷たい飲み物ばかり飲みたくなりますが、東南アジアでは温かいお茶や常温の水もよく飲まれています。
冷たいものばかり摂ると胃腸に負担がかかると考えられているため、冷たい飲み物と温かい飲み物をバランスよく取り入れる人も少なくありません。
暑い日だからこそ、体の内側への気配りも大切にしています。
10. 食事は”さっぱり+香辛料”
暑さに負けない食文化
暑い地域では、ライムやレモン、ミント、パクチー、バジルなどの香味野菜や、唐辛子を使った料理が数多くあります。
酸味や香りを取り入れることで食欲が落ちにくくなり、汗をかくことで体温調節を助けるという考え方もあります。
日本でも夏は冷たい麺類だけに偏るのではなく、ハーブやスパイスを取り入れた料理を楽しむことで、暑い季節をより快適に過ごせるでしょう。
まとめ
暑い国の人たちは、暑さと戦うのではなく、暑さに合わせて暮らしそのものを変えることで快適な毎日を築いてきました。
朝の涼しい時間を活用し、昼は無理をせず、夜に活動する。身だしなみや食生活も暑さを前提に工夫する——そんなライフスタイルは、35℃超えが当たり前になりつつある日本でも、これからの新しいスタンダードになるかもしれません。
「暑さ対策」から一歩進んで、「暑さに合わせて暮らす」という発想を取り入れてみてはいかがでしょうか。


