
「スニーカーといえばNikeやadidas」という時代が少しずつ変わり始め、数年前からHOKA、On、Salomon、ASICSなどのハイテクスニーカーがファッションシーンで存在感を増しています。
大きなソールに、メッシュ素材、独特のクッション構造、テクニカルなパーツ……。一昔前なら「本気で走る人のための靴」という印象だったデザインが、いまや街中のおしゃれな女性たちの足元を飾るように。
2026年のスニーカートレンドについても、テクニカルなシルエットへの需要は続いており、British VogueはASICSやSalomonのパフォーマンス系モデルを、ゴープコアの流れを引き継ぐ注目株として紹介しています。
ハイテクスニーカーは世界中で同じように支持されていますが、国ごとの人気ブランドの傾向もあります。
そこで今回は、各国の人気ハイテクスニーカーに焦点をあて、アメリカ、フランス、イギリス、そして日本の人気ブランドTOP3をご紹介していきます。
【アメリカ】ハイテクスニーカー人気TOP3
まずは、ハイテクスニーカーの人気が特に目立つアメリカから。
アメリカでは、スポーツシューズに求める「快適さ」が、そのままファッションの価値へとつながっているのが特徴です。
3位:New Balance
レトロとハイテク、どちらも楽しめる万能ブランド
アメリカで根強い人気を誇るNew Balanceは、ハイテクスニーカーのブームの中でも独自のポジションを築いています。
代表的な990シリーズのようなクラシックモデルがある一方、ランニングカテゴリーでは高機能モデルも充実。
そのため、いかにも「最新テクノロジー」というスニーカーだけでなく、レトロな雰囲気と機能性をミックスしたスタイルを楽しめるのが魅力です。
スポーツウェアだけでなく、デニムやワイドパンツ、ジャケットなどにも合わせやすく、ハイテクとローテクの中間的な存在ともいえます。
2位:On
「走るための靴」を都会のファッションへ
独特のCloudTecソールで知られるOnは、近年のハイテクスニーカーブームを象徴するブランドのひとつ。
ランニングシューズとしての機能性を持ちながら、デザインは比較的ミニマル。スポーティーすぎないため、日常の服に取り入れやすいのが特徴です。
アメリカでは、ジャケットやデニムなどの普段着にOnを合わせるスタイルも自然に定着。
「高機能だからスポーティー」ではなく、「高機能だからこそ都会的」という新しい価値観を作ったブランドです。
1位:HOKA
「ラクだから履く」がファッションになった!
アメリカで特に存在感を高めているのがHOKAです。
特徴は、何といっても大きな厚底ソールと高いクッション性。
もともとは長距離ランナーなどに支持されてきたブランドですが、現在はランニングだけでなく、ウォーキングや旅行、街歩きなど日常のさまざまなシーンへ広がっています。
2026年の米国女性アスレチックフットウェアのブランドヒート調査でも、HOKAはNikeに次ぐ2位、Onは3位にランクイン。両ブランドの存在感の大きさが分かります。(L.E.K. Consulting)
アメリカのハイテクスニーカー人気を象徴するのが、
「おしゃれだから履く」だけではなく、「快適だから履く。そして、それがおしゃれに見える」
という考え方なのです。
アメリカでは「快適性×ライフスタイル」で選ばれる!
アメリカでは、ハイテクスニーカーが、ランニングから始まり、ウォーキング→旅行→日常生活→ファッションという順番で広がってきました。
「靴はラクなほうがいい」という実用性が、ファッションと結びついているのです。
【フランス】ハイテクスニーカー人気TOP3
ファッション大国のフランスでは、単純に「歩きやすいから」というだけではありません。
機能的な靴を、いかにファッションとして見せるかがポイントになっています。
3位:HOKA
ボリュームのあるソールをスタイルのアクセントに
HOKAの特徴である厚底ソールは、フランスのファッションシーンでも存在感を発揮。
ワイドパンツやロングコートなど、ボリュームのある服と合わせることで、足元にも存在感を出すことができます。
「快適なウォーキングシューズ」という実用面だけでなく、大きなソールそのものをファッションデザインとして楽しむのが特徴です。
2位:ASICS
2000年代のランニングシューズがモードな足元に
ASICSもフランスで存在感を高めています。
特にGEL-KAYANOなどのランニング由来モデルは、メッシュ、シルバー系のパーツ、立体的なソールなど、いかにも「テクノロジーを搭載した靴」というルックス。
それをスポーツウェアではなく、コートやジャケットなどのきれいな服に合わせることで、独特のモード感が生まれます。
1位:Salomon
アウトドアシューズがモードアイテムに!
フランスのハイテクスニーカーを語るうえで外せないのがSalomonです。
代表的なXT-6をはじめ、トレイルランニング由来のテクニカルなデザインは、いまやゴープコアを象徴する存在。
アウトドア用のパンツやジャケットと合わせるだけでなく、ロングコートやフェミニンなアイテムの“ハズし”としてSalomonを履くスタイルも。
「山で使う靴を街で履く」こと自体がファッションになるという、新しい価値観を作ったブランドです。
フランスでは「機能性×おしゃれ」で選ばれる!
フランスでは、「機能性のある靴だからこそ、あえてファッションの主役にする」という方向。
テクニカルなディテールやアウトドアらしいゴツさを隠さず、むしろコーディネートのアクセントとして楽しんでいるのが特徴です。
【イギリス】ハイテクスニーカー人気TOP3
ロンドンのストリートでは、スポーツ、アウトドア、ストリート、テーラードといった異なる要素を組み合わせるスタイルが特徴的です。
3位:New Balance
レトロ×ハイテクの絶妙なバランス
New Balanceはイギリスでも人気。
990シリーズのようなクラシックモデルから、よりランニングシューズらしいモデルまで選択肢が幅広く、スタイルに合わせて使い分けられるのが強みです。
ハイテクスニーカーだけが注目されているわけではなく、レトロなスニーカーへの人気も共存しているイギリスでは、New Balanceのようなブランドが特に使いやすい存在といえます。
2位:Salomon
ゴープコアから都会の定番へ
Salomonはイギリスでも強い存在感。
XT-6などのトレイル系モデルは、カーゴパンツやワイドパンツなどと合わせればストリート感のあるスタイルに。
一方で、テーラードジャケットやロングコートと合わせれば、きちんとした服にテクニカルな違和感を加えることもできます。
1位:ASICS
ランニングシューズをストリートファッションとして再解釈
イギリスで注目されるのがASICS。
2000年代のランニングシューズを思わせるテクニカルなデザインは、いまのストリートスタイルとも好相性です。
British Vogueも2026年のトレンドとして、ASICSとSalomonのパフォーマンス系モデルを挙げ、ゴープコアの流れが続いているとしています。(British Vogue)
スポーティーなパンツと合わせるだけではなく、テーラードジャケットやロングコートなど、あえて“きちんとした服”に合わせるのがポイント。
イギリスのでは、「スポーツ×ストリート×テーラード」で選ばれる!
ハイテクスニーカーを「スポーツ用の靴」として考えず、異なるテイストを組み合わせるためのアイテムとして使う。
これがイギリスらしい取り入れ方です。
【日本】ハイテクスニーカー人気TOP3
海外でHOKAやOn、Salomonなどが注目されるなか、日本でもハイテクスニーカー人気はもちろん高まっています。
ただし、日本には海外とは少し違った特徴があります。
その中心にいるのが、日本発のASICSです。
3位:HOKA
「歩きやすい靴」が日常のファッションに
日本でもHOKAは、ランニングだけでなく街歩きや旅行、通勤などで存在感を高めています。
特に厚底のボリューム感は、ワイドパンツやロングスカートなど、現在のファッションとも好相性。
「とにかく歩きやすい靴が欲しい」という実用性から選ばれる一方、ボリュームのある足元を作れることから、ファッション目的でも取り入れられています。
2位:On
スポーツシューズなのに「都会的」
Onは日本でも、独特のソールデザインとミニマルなルックスで人気。
特に、ジャケット+ワイドパンツ+On
のような、スポーツとは直接関係のないコーディネートに合わせるスタイルが目立ちます。
日本では「スポーツ感を全面に出す」のではなく、きれいめな服にハイテクスニーカーを合わせて、ほどよくカジュアルダウンする使い方がしやすいブランドです。
1位:ASICS
日本発の「機能美」が世界的なファッションアイテムに
そして日本の1位はASICS。
国内では2025年のフットウェア市場でASICSがトップメーカーとなっており、2026年にはスポーツスタイル部門も大きく成長しています。
GEL-KAYANO、GEL-NIMBUS、GEL-1130など、ランニング由来のテクニカルなモデルが人気。
さらに面白いのは、ASICSが日本だけでなく海外のファッションシーンでも支持されていること。
つまり、
日本で生まれたランニングシューズ
↓
日本でファッションアイテム化
↓
海外のファッションシーンでも人気
↓
再び日本でも注目される
という、グローバルな循環が生まれています。
日本では、「機能性×きれいめ」で選ばれる!
日本では、ハイテクスニーカーをアウトドアウェアに合わせるというより、
ジャケット
+
ワイドパンツ
+
ハイテクスニーカー
のように、きれいめな服装に取り入れるスタイルが目立ちます。
つまり、「機能性をファッションに取り入れるけれど、全身をスポーティーにはしない」。
ここに日本独自の特徴があります。
世界で人気のハイテクスニーカー、各国の傾向まとめ
ここまで4カ国を見てみると、面白い違いが見えてきます。
| 国 | 3位 | 2位 | 1位 | 人気のキーワード |
|---|---|---|---|---|
| 🇺🇸 アメリカ | New Balance | On | HOKA | 快適性×日常 |
| 🇫🇷 フランス | HOKA | ASICS | Salomon | 機能性×モード |
| 🇬🇧 イギリス | New Balance | Salomon | ASICS | ストリート×テーラード |
| 🇯🇵 日本 | HOKA | On | ASICS | 機能性×きれいめ |
もちろん、これは各国の販売数量を同一条件で比較したランキングではなく、2026年のファッション・SNS・ライフスタイル領域での存在感を整理したものです。
それでも、国ごとの傾向はかなり興味深いものがあります。
🇺🇸 アメリカ=「快適だから履く」
HOKAやOnが象徴するのは、コンフォート志向。
長時間歩ける、疲れにくい、履き心地がいい。
その実用性が、そのままファッションの魅力になっています。
🇫🇷 フランス=「機能性をファッションにする」
Salomonが象徴するのは、テクニカルなデザインそのものを楽しむ文化。
アウトドアらしいゴツさを隠すのではなく、コートやモードな服と合わせて魅力に変えています。
🇬🇧 イギリス=「異なるものをミックスする」
ASICSやSalomonを、スポーツウェアだけではなくテーラードアイテムにも合わせる。
スポーツ×ストリート×ドレスというミックス感が特徴です。
🇯🇵 日本=「機能性を上品に取り入れる」
ASICS、On、HOKAなどを、きれいめな服に合わせる。
「ラクだけど、スポーティーになりすぎない」というバランスが、日本では特に重要なのかもしれません。
世界で同じブーム、でも「かっこいい」の基準は違う
いま世界中でハイテクスニーカーが注目されているのは間違いありません。
しかし、今回4カ国を比較すると、同じハイテクスニーカーでも「何に魅力を感じるか」はかなり違うことが分かります。
アメリカでは、HOKAやOnの快適性。
フランスでは、Salomonのアウトドア×モード。
イギリスでは、ASICSやSalomonを使ったスポーツ×テーラードのミックス。
そして日本では、ASICSをはじめとした機能性ときれいめファッションの融合。
つまり、世界で同時多発的に起きているのは、「快適であること」「機能的であること」「テクニカルであること」そのものを、おしゃれとして楽しむ価値観の広がり。
それが、On、HOKA、Salomon、ASICSなどを世界各地でファッションアイコンへと押し上げている大きな理由になっています。
世界各地のスポーツ・ファッション文化が影響し合いながら、新しいスニーカースタイルを作っているともいえるでしょう。


